2017年1月31日 金属アレルギーのお話|大和市の歯医者|医療法人社団英優會

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2017年1月31日 金属アレルギーのお話

歯科治療における金属の修復材料は主に金銀パラジウム合金で、かつてはアマルガムも使われていました。比較的安価で耐久性もあるため、保険治療の主役として多用されてきました。しかし昨今、金属アレルギーへの不安や見た目の悪さ、また歯肉への悪影響など様々な問題が指摘されています。


金属アレルギーはアクセサリーなど皮膚に触れたり体内に入った金属がイオン化し、人体のタンパク質と結合して引き起こされます。このタンパク質との結合体は体内には存在しないものなので、体の免疫機構が働き、異物(アレルゲン)としてアレルギー反応が現れます。


このアレルギーは誰でも起こるものではなく、生涯症状が出ない人もいれば、何年も無症状だった人が突然発症することもあります。いま症状が出ていないからといってこれからも絶対に出ないという保証はありません。現在金属アレルギーを発症していない方でも、口腔内に金属がある限り金属イオンの溶出は進んで、生体内に蓄積していきます。


唾液が存在し、摂食器官として様々な性質の食べ物が入ってくる口の中は、金属がイオン化しやすい環境です。さらに口の中にいる細菌が金属イオンとタンパク質とを結合させやすくします。


私たちの体には、常在菌など何らかの菌がいます。その菌が金属と一緒に体内に入ると、体の警備係である白血球が菌と戦いを始めます。そうして活性化した白血球は、たまたま一緒に入ってきた金属も敵とみなし、攻撃を始めてしまいます。これがいわばスイッチの入った瞬間で、それ以降は「金属イオンだけ」が入ってきた場合でも、白血球は攻撃をしかけ、炎症物質をまき散らして皮膚をただれさせてしまうのです。これが「金属アレルギー体質」の正体です。


金属アレルギーを防ぐには、口の中を清潔に保ち、細菌の働きを抑えることで、金属イオンがタンパク質と結合しにくくさせることが重要です。またオークヒルズ歯科では、金属を使用しないメタルフリー治療を積極的に行っており、心配な方はぜひ一度ご相談いただけたらと思います。