『歯がしみます』 多くの方がこの主訴で歯科医院を訪れます。『ムシ歯ができました』患者さんは決まってこのように訴えます。が、歯科医師はこの主訴を聞いてどのような病名を考えるでしょうか?
ムシ歯?
いいえ、私はムシ歯とは考えません。
余り知られていませんが知覚過敏の原因は多種多様に渡ります。
今回は数多くある知覚過敏の原因の中から最も疑わしいにも関わらずほとんど知られていない物をいくつか紹介します。
その1 歯ぎしり、食いしばり
【ブラキシズム、クレンチング、TCH】
知覚過敏の最有力原因と言われています。『私は歯ぎしりはしていません』ほとんどの方がおっしゃいますが、実は気付いていないだけですべての人がしています。睡眠時の歯ぎしりはストレスのコントロール、自律神経の調整として行われ決して悪い事ではありません。ただ度を超すと知覚過敏、顎関節症など様々なトラブルを引き起こします。
その2 酸蝕歯
酸性食品、飲料の接種により歯が溶かされてしまう状態
食生活の多様化、健康志向により様々な食品を口にすることが多くなってきました。酸性飲料の代表と言うと炭酸があげられますが実は健康に良いと言われる食品、飲料の多くが酸性です。偏った食生活は歯を溶かし、知覚過敏、齲蝕の原因になります。アルカリ食品も採りバランスを考えた食事を心掛けましょう。
その3 季節
インフルエンザや風邪のように知覚過敏にも好発シーズンがあります。それは冬と夏。冬は12月を過ぎた頃、外気温や水温が下がり始めると歯がしみだします。夏は梅雨が開けた頃です。アイスやかき氷、冷えたビールなどを口にする事が多くなり知覚過敏が始まります。私は知覚過敏の患者さんが増えだすと季節の変わり目を感じます。
その4 メンタル
歯ぎしりや季節とも関係していますが生活習慣、体調不良、寝不足、ストレスなども知覚過敏を引き起こします。月並みな言い方ですが規則正しい生活を心掛けましょう。実はこれが一番難しいのですが。
以上、有力な物をいくつかあげましたが原因はまだまだあります。原因の解明は自分では出来ません。おやっと感じる事がありましたら是非、歯科医院への受診をお勧めします。意外とちょっとした処置で納まる事もあります。