2016年11月7日 オーラル・フレイル|大和市の歯医者|医療法人社団英優會

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2016年11月7日 オーラル・フレイル

皆様こんにちは。歯科衛生士の川崎です。
寒くなってきましたが、体調など崩されていませんでしょうか。


先日、母校の新東京歯科衛生士学校で行われた同窓会セミナーで、「オーラル・フレイル」について勉強してきました。


「オーラル・フレイル」とは、直訳すれば「歯・口の機能の虚弱」ですが、歯・口の機能の低下を表す新しい考え方です。


高齢期において人とのつながりや生活の広がり、誰かと食事するなどといった「社会性」を維持することは、活動量、精神・心理状態、歯・口の機能、食・栄養状態、身体機能など、さまざまな健康分野に関与することが明らかになっています。


この「社会性」が欠如していくと、低筋力や低身体機能などの「サルコペニア」(加齢性筋肉減弱症)や低栄養などによる生活機能の低下を招き、ひいては要介護状態に陥ることが分かっています。


歯・口の機能低下は、加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)や運動器症候群(ロコモティブシンドローム)の前触れとも考えられ、「オーラル・フレイル」の予防がひいては、全身の健康に関わってくることも分かってきています。


特に、栄養面からみると、歯・口の健康への関心度が低く、歯周病や虫歯を放置して重症化し、歯を喪失するなどして口の中の機能が低下していくと、滑舌が悪くなったり、食べることができないものが増えたりして、食欲低下やバランスの良い食事をとることができず、噛む力や舌の動き、食べる量が低下し、低栄養、代謝量の低下、サルコペニアを引き起こす要因となり、要介護状態に陥ることとなります。


そのため、ささいな歯・口の機能の低下を軽視しないことが大切です。このわずかな歯・口の機能の衰えは、身体の衰えと大きく関わっています。


「社会性」「バランスの良い食事と歯・口の定期的な管理」「運動」、この3つを維持することがサルコペニアの予防になり、健康長寿につながります。


歯周病や虫歯、また歯を失ったときは放置せず早めに治療をし、さらに定期的に検診を受け、歯や口の健康状態のチェックを受けたり歯のクリーニングを行うことは全身の健康状態を保つうえでとても大切です。