フレアーアウトって、なんぞや|大和市の歯医者|オークヒルズ歯科・やなぎさわ歯科

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フレアーアウトって、なんぞや

先日、患者さんから『マスクをとったら、下の前歯が広がってきた💦』と相談を受けまして、原因を、とりあえず頭に浮かんだ1つしか説明出来ず凹みました。

で、相変わらずの今更調べを決行しました。

いわゆるフレアーアウトの状態でした。

フレアーアウトとは。。

前歯が唇側(外側)へ、歯間の離開を伴い傾斜している状態の事を言います。顔つきや見た目が変わるだけでなく、前歯で食べ物を噛みにくくなるという機能的な障害も生じる事になります。

原因は。。

 ①歯周病

歯周病は初期の歯肉炎➡️歯周炎という進行を辿ってしまう事が多いのですが、歯肉炎は炎症が歯肉に限局している為、ブラッシングなどの適切な対応、治療で治っていくのですが、歯周炎に進行して歯肉の直下にある骨(歯槽骨)に炎症が波及すると、歯槽骨が吸収され歯を支える土台が減ってしまい、歯がぐらつくようになります。

この状態が前歯の場合、舌が内側から押したり歯ぎしりの癖があると唇側に傾斜しやすくなり、フレアーアウトが生じます。  

 

②奥歯の咬合(噛み合わせ)

 虫歯や歯周病で奥歯(臼歯)を抜歯しそのままにしておくと、後ろの歯が傾いてきたり噛み合わせている歯が伸びてきたりしますが、その一環で奥歯の噛み合わせが低くなってしまう事があります。

そうなると、相対的に前歯がよくあたるようになり、これに伴い前歯が唇側に傾いていき、フレアーアウトが生じます。

 

③舌習癖

 歯並びは、舌(の筋肉)と口の周りの筋肉(頬、口唇)のバランスにより位置が定まります。

もし、継続的に舌が内側から前歯を唇側におし続ける癖があると(舌習癖)、歯は唇側に傾いてしまいます。

 

④前歯噛み

 前歯は本来食べ物を噛み切る歯です。奥歯(臼歯)のように食べ物をすり潰す役目の歯ではありません。

しかし、奥歯がすり減ったり、無くなったりした時に、前歯が奥歯の働きを担う必要が出てきます。

前歯を使って食べ物をすり潰す様に噛む事で、前歯に前後や横方向に力がかかって来て、フレアーアウトが起こりやすくなります。

 

⑤歯ぎしり

 歯ぎしりは、前後、左右に動かす力が歯にかかります。

下顎は、後方に引く力よりも前に出す方が動かし易いため、前歯に歯ぎしりがある場合、前後方向に力がかかる前歯は、動かし易い前方へ動こうとしフレアーアウトを引き起こします。

治療法について。。

 矯正歯科治療

 一度唇側傾斜した前歯は、矯正治療を通してでなければ、元の位置に戻る事はありません。

矯正治療の方法としては

 ①マルチブラケット法

 ブラケットと呼ばれる金具を歯の表面に装着し、専用の針金を通して歯を動かす、オーソドックスな治療方法。

 ②マウスピース法

 歯型を採った模型からマウスピースを作り、少しづつマウスピースを替えながら、理想的な位置に歯を動かしていく方法。

いずれにしても、通常の矯正治療よりも時間がかかるようです。

 ③歯周病治療

 ④噛み合わせ治療

 ⑤舌習癖を治す

 ⑥歯ぎしりを治す。。

患者さんによっては、フレアーアウトの要因を複数持つ方も多く、矯正にたどり着くまでにやらなければいけない治療も多くなりますので、時間も費用もかかります。

フレアーアウトを起こす要因を早めに取り除くのが、1番の対策と言えるでしょう。

また、マスク生活との因果関係も関わっている気がしますが、今のところそういう発表は,見つけられませんでした。