むし歯予防の効果を高められる、フッ素。
皆様は、フッ素入り歯磨き粉・フッ素入りマウスウォッシュなどをお使いでしょうか?
「フッ素」と聞くと、「子どものむし歯予防のための物」というイメージをお持ちの方も少なくありません。
たしかに、フッ素は子どもの歯(乳歯や生えてきたばかりの永久歯)のむし歯予防に効果的です。
子どものむし歯予防に効果的ですが、フッ素は子どものみの物ではありません。大人の方も積極的にフッ素を用いることで、むし歯予防の効果を高められます。
目次
■フッ素がむし歯予防に効果的なのはナゼ?
◎フッ素は歯を丈夫にして、むし歯予防の効果を高めます
フッ素は歯を丈夫にして、むし歯予防の効果を高める作用があります。
規制解除により、近年は、日本国内でも高濃度フッ素の歯磨き粉・マウスウォッシュが市販されるようになりました。
■フッ素で期待できるむし歯予防の効果
①歯の再石灰化をうながし、エナメル質を厚く・硬くする
フッ素は、歯がむし歯によって溶けてしまった際の修復(再石灰化)をうながし、エナメル質を厚く・硬くする作用があります。
エナメル質が厚く・硬くなることで、脱灰(※)による歯への影響を抑えやすくなるのです。
(※)脱灰(だっかい)=むし歯菌が出す酸や
飲食物に含まれる酸で歯が溶ける現象。
②むし歯菌が出す酸の量を減らし、むし歯を発症・進行しにくくする
歯の再石灰化作用の促進に加え、フッ素にはむし歯菌の活動を抑制する作用も。
むし歯菌の活動を抑制することで、むし歯菌が出す酸の量が減少。むし歯を発症・進行しにくくします。
■フッ素は大人にも効果があるって、ホント?
◎歯質強化+むし歯菌の活動抑制により、大人の方もフッ素でむし歯予防の効果を高められます
歯質が未成熟でむし歯にかかりやすい、子どもの歯(=乳歯や生えてきたばかりの永久歯)。
未成熟な子どもの歯には、フッ素によるむし歯予防が特に有効とされています。
歯質を強化し、むし歯菌の活動を抑制する、フッ素。
子どもに加え、大人の方もフッ素入り製品を用いてセルフケアを行うことで、むし歯予防の効果を高められます。
■フッ素によるむし歯予防の効果を高めるためのポイント
市販のフッ素入り歯磨き粉・マウスウォッシュを用いる際は、以下のような点に留意し、セルフケアを行いましょう。
①1,450ppm前後の高濃度フッ素配合の歯磨き粉・マウスウォッシュを用いる(5歳以下のお子様を除く)
現在は、1,450ppm前後の高濃度フッ素が配合された歯磨き粉・マウスウォッシュが市販されています。
フッ素は、濃度が高い方がむし歯予防の効果を高めやすいです。セルフケアを行う際は、1,450ppm前後の高濃度フッ素配合の歯磨き粉・マウスウォッシュを用いることでむし歯の予防効果を高めることができます。
{5歳以下のお子様は1,000ppm前後以下のフッ素入り製品の使用をオススメします}
5歳以下のお子様には、1,450ppm前後の高濃度フッ素は少々刺激が強いです。
5歳以下のお子様のマウスケアにおいては、1,000ppm前後以下のフッ素入り歯磨き粉・マウスウォッシュの使用をオススメします。
②歯みがきの前に歯間清掃を行う
フッ素入り歯磨き粉・マウスウォッシュを使う前には、歯間清掃を行いましょう。歯間を清掃しておくことで、歯と歯の隣接面にフッ素を行き渡らせやすくなります。
毎食後の歯間清掃が理想ですが、めんどくさい・時間がないときは就寝前の歯間清掃だけは行うのがポイントです。
③お口ゆすぎは軽めで1回のみ
フッ素入り歯磨き粉を使ったときは、仕上げのお口ゆすぎは軽め(やさしく)で1回のみに留めましょう。強い水流を生じさせたり、何度もお口をゆすぐと、歯についたフッ素の成分が洗い流されてしまいます。
なお、フッ素入りマウスウォッシュは、仕上げのお口ゆすぎは不要です。
【積極的にフッ素入り製品を活用し、むし歯予防の効果を高めましょう】
歯質が未成熟なお子様から大人の方まで、フッ素はむし歯予防に効果的です。
むし歯から歯を守り、むし歯の進行を抑えるために、積極的にフッ素入り製品を活用しましょう。