顎の骨に人工の歯根を埋め入れる構造に基づき、高い安定性を持つインプラント。
「しっかり食べ物を噛みたい」ことを望まれ、インプラントをご検討されている方も多いのではないでしょうか。
当院を含め、近年、日本では、インプラント治療を行うクリニックも増加。インプラント治療により、失われた歯の噛む機能と見た目の回復にアプローチしています。
インプラントの普及に関連し、今回は「海外・日本のインプラントの普及率(全人口に対するシェア)」について、深掘りしてみましょう。
目次
■日本ではどれくらい、インプラントが普及(シェア)しているの?
◎日本では、45人に1人(約2.2%)がインプラントを入れています
厚生労働省が2022年に行った歯科疾患実態調査では、
「日本では、約2.2%(約280万人)、45人に1人程度の割合でインプラントを入れている」
と報告されています(※1)(※2)。
(※1)厚生労働省「歯科疾患実態調査」
(令和4年:2022)より引用。
(※2)日本口腔衛生学会・地域口腔保健委員会
「2022年歯科疾患実態調査の解析作業報告
および歯科疾患総量で見た推移の例示」(2024)より引用。
45人に1人(約2.2%)。
海外の国々と比べて、上記のインプラントの普及率(全人口に対するインプラントのシェア率)の割合は、多いのでしょうか?それとも、少ないのでしょうか? ちょっと見ただけでは、わかりにくいですよね。
海外と比べて、日本のインプラント普及率が多いか少ないかは、次の「海外のインプラント普及率」をご覧ください。
■海外のインプラント普及率(シェア) 普及率トップは日本のお隣の国?
◎世界のインプラント普及率No.1は韓国(11人に1人程度の割合)(約9%)
海外(世界)のインプラント普及率No.1は、日本のお隣の国、韓国です。
韓国の方は、11人に1人程度(約9%)の割合でインプラントを入れています。
韓国でインプラントの普及率が高い理由は、見た目の美しさや機能性の高さを求めるお国柄なのかもしれません。
(※)ストローマン社HP
「2025 FIRST QUARTER RESULTS」(2025)より引用。
なお、普及率2位はスペインで約4%、3位のフランスは約3%。以下、ドイツ、アメリカ、ブラジルなどが約2%で4~6位以内、中国が約1.5%で7位と続きます。
◎2024年、日本のインプラント普及率は世界の4~6位か
2024年のランキングに当てはめると、日本の2022年の厚生労働省の調査結果(約2.2%)は世界で4~6位前後にランクインされると推測されます。
世界4~6位というランクは、まあまあ、悪くはない順位ですよね。
{少し前までは、先進国の中では日本は「インプラントの普及率が低い国」でした}
当院を含め、近年、日本ではインプラント治療を行うクリニックが多く見られます。
実は、2020年のデータでは、世界における日本のインプラント普及率ランキングは14位でした。数年前までは、「(先進国の中では)日本はインプラントの普及率が低い国」とされていたのです(※)。
(※)ストローマン社「annual report」(2020)より引用。
数年前までは(先進国の中では)普及率の低さが言及されていた日本。しかし、現在、インプラント治療を行うクリニックの増加により、日本におけるインプラントの普及率も高くなっています。
世界的に見ても、日本は「インプラントの普及率が比較的、高い国」の仲間入りを果たしたのかもしれません。
■韓国と比べて、日本のインプラントの普及率(シェア)が低い理由は“その場しのぎ”の保険治療?
◎「保険がきいて、安いから」と言う理由で、日本では保険のブリッジ・部分入れ歯を選ぶ方も
世界のインプラント普及率ランキングでは4~6位(推測)にランクインする、日本。
世界的に見ると日本はインプラントの普及率が比較的、高い国(約2.2%)ですが、お隣の韓国(約9%)と比べると、7%前後も普及率の違いがあります。
韓国と日本の差は、どういった理由なのでしょうか?
推論ではありますが、韓国と比べて、日本のインプラントの普及率が低いのは保険のブリッジ・入れ歯(部分入れ歯、総入れ歯)があるため、とされています。
保険のブリッジ・入れ歯は保険を適用でき、比較的安価に歯を補えます。
{保険のブリッジ・部分入れ歯は「歯を傷つけることがある」問題点も}
保険のブリッジ・入れ歯は保険で比較的安価に歯を補える反面、「支えとなっている歯を傷つけることがある」問題点も。
ブリッジの問題点
ブリッジは残っている隣の歯を削り、被せ物を取り付けます。歯を削るため、ブリッジは支えとなっている歯の寿命が縮まるケースがあります。
歯を削ることでの歯へのダメージに加え、ブリッジは被せ物と歯の境目に歯垢・食べかすが溜まりやすく、ご自身では汚れを落としにくいです。被せ物と歯の境目に溜まった歯垢・食べかすが原因でむし歯・歯周病が進行してしまうケースも。
部分入れ歯の問題点
部分入れ歯は残っている歯に金具(クラスプ)をかけ、使用します。残っている歯に金具をかけて使う構造上、部分入れ歯は金具をかけた部分の歯が傷つきやすいです。
金具をかけた部分の歯へのダメージに加え、部分入れ歯で食べ物を噛む度に金具をかけた歯に力がかかり、金具をかけた歯がグラグラになってしまうケースも。
【今後の人生における「人工歯」の役割をよく考えた上で、歯を補うことが望ましいです】
支えとなっている歯が傷つくこともある、ブリッジ・部分入れ歯。
一方、インプラントは残っている歯を傷つけず、単独で治療を行えます。失った歯の箇所にのみインプラント体(人工歯根)を埋め入れて、他の歯には負担をかけないため、残っている歯の寿命の延伸も期待できます。
インプラント、ブリッジ、入れ歯など、歯を補う補綴治療。
歯を失ったときは、今後の人生における「人工歯」の役割をよく考えた上で、歯を補うことが望ましいです。
残っている歯&歯周組織の健康を維持するためにも、歯を補うときはご自身が費用・審美面・機能面…どこを優先するかを考え、歯科医師と良い治療法を検討することが大切です。
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今回は、「海外・日本 インプラントをしている人の割合が多いのはどの国」のお話をさせていただきました。意外にも、日本は世界ランキングで4~6位と、インプラントの普及率が高い国、という結果でしたね。
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