こんにちは。
大和市鶴間、オークヒルズ歯科の西村です。
今回は「むし歯の原因菌」についてのお話です。
お口の中には500種類以上の細菌がいると言われていますが、その中でも常に口の中に住んでいる口腔内常在菌と言われる細菌の一種、「ストレプトコッカスミュータンス(以下ミュータンス菌)」がむし歯の主な原因菌として知られています。
ミュータンス菌は、虫歯の発生に関わる二つの大きな特徴を持っています。
一つ目は、糖質を分解して水に溶けないネバネバした物質を作ります。このネバネバは不溶性グルカンと言って、ガラスや歯のようなつるつるした表面に細菌を付着させやすくします。この能力は、この菌特有のものです。
ミュータンス菌だけでなく、他の口腔内常在菌をも歯の表面に貼り付けて細菌の塊である歯垢を形成します。できたばかりの歯垢は結合力が弱く、少しの力でバラバラになりますが、そのままの状態で数日経過すると、細菌の塊が作る「バイオフィルム」と言われる被膜を作り、容易には壊れなくなって、酸素や、細菌を壊す酵素、薬液も通さなくなってしまいます。
二つ目の特徴は、糖質を分解して酸を作ることです。バイオフィルムは酸素を通さないので、歯の表面は酸素がない状態になります。ミュータンス菌は、酸素がなくなると糖質を分解して酸を作る性質があります。その酸が歯垢の中に蓄積され、歯の表面のミネラル分が溶かされ、むし歯になってしまうのです。
また、お囗の中が不潔だとインフルエンザ等にも感染しやすくなると言われています。口は異物の入り口であり、異物の侵入を防ぐバリアの役割があります。囗の中の細菌数を減らすことは、むし歯だけでなく、歯周病をはじめ様々な疾患の予防にもつながります。そのためにも日頃のセルフケアはもちろん、定期的に歯科医院を受診し、プロのケアや適切なアドバイスを受けましよう!!